前回のコラムで、自社の周年事業企画の目玉コンテンツとして、オリジナルの小説、アニメーション、楽曲をセットで創作する「コンテンツミックス」のお話をしました。
コンテンツミックスは、文字通り複数のコンテンツをミックスして創作するものですが、適当に作れるものではありません。周年事業の顔にふさわしい完成度の高いコンテンツにするためには、しかるべき準備とステップを踏んで進めていくことが重要です。
では何から始めるか。
テーマの決め方
コンテンツミックスで最も重要なのは、テーマです。あらゆるエンターテインメント作品がそうであるように、テーマがよくわからない作品は、ユーザーの心に響きません。それはたとえ周年事業の名の下に制作される企業のコンテンツであっても同様です。
周年事業におけるコンテンツミックスのテーマ考察は、おおむね下記の2点をもとに考えると良いでしょう。
1.登場人物と主人公を誰にするか
周年事業の主役はあくまで従業員である、と言うのが昨今の周年事業の考え方の主流です。したがって、物語の主役は従業員、登場人物も従業員、社長や経営陣、取引先、従業員の家族、地域の方々など、リアルに没入できる身近な人々を登場させることで、周年事業の「自分ゴト化」を強力に推し進めることが可能です。ただしプライバシー保護の観点からも実名での登場や実在する人物が特定されるような描き方は避けるべきで、あくまで実在の人物たちを参考モデルにしながらも、あくまで架空のモデルを描き、物語化することが重要です。
2.基本設定を決める
登場人物が決まったら、どのような設定にするかを決めましょう。従業員を主人公にした「成功物語」にするのか、そこに仲間同士の「友情物語」を織り交ぜるのか、あるいはただ成功するだけではなく時に「失敗」も交ぜながら物語に緩急をつけていくのか、取引先をはじめ周囲との「信頼」や「絆」の構築を打ち出していくのか、はたまた思い切って「喜劇」や「恋愛」なども入れるのか・・・。ストーリーをより面白くするためには、エンターテインメント作品のヒット作に使われる「ヒーローズジャーニー」という理論に基づいたプロット作成なども参考にすると良いかもしれません。(※ヒーローズジャーニーの詳細についてはまたの機会に解説します)
さて、上記2つのポイントが決まれば、あとは簡単。「従業員を主人公にした成功物語」「従業員とお客様の絆の物語」「従業員同士の友情物語」などなど、さまざまな組み合わせで物語のテーマを、を決めていきます。
次回は、コンテンツ制作のスケジュールと予算の考え方です。乞うご期待!